市販されているドッグフードは、種類も多く、どのような違いがあるのかを見て選ぼうとすると、とても大変です。
最近のドッグフードは、
- ドライタイプ
- ウェットタイプ
- 半生タイプなど
噛み応えのバリエーションも豊富なうえ、対象になる年齢や犬種によって含まれている栄養素の割合を変えていたり、素材にもこだわっています。
しかし、日本では、ペットフードの安全性について、2009年にようやく「ペットフード安全法」という法律が定められたほど歴史も浅く、それまでは全く規制がありませんでした。昔は、人間と同じメニューを食べていた子もいたくらいです。
愛犬も長寿の時代。いつまでも健康でいてほしい、それが飼い主の願いです。では、今使っているペットフードは大丈夫なのでしょうか?
ここでは、人気のドッグフードやおすすめフードの安心・安全チェックを紹介します。
ドッグフード選び3つのポイント
たくさん販売されているドッグフードのなかから、愛犬に安心してあげられるフードを選ぶにはどうしたらよいのでしょうか。
安心・安全なドッグフードを選ぶ、重要な3つのポイントをご紹介します。
犬に必要な栄養素を知る
犬が健康な体を作り、維持するためには、次の6つの栄養素が重要だといわれています。
- 水
- 炭水化物
- 脂肪
- タンパク質
- ビタミン
- ミネラル
一見、人間と同じように見えますが、必要な栄養バランスは、犬と人間で同じではありません。
犬は、元々肉食性の強い雑食動物です。
肉や魚に含まれる動物性タンパク質には、犬が体内で作ることができない必須アミノ酸が含まれています。そのため、犬には十分な動物性タンパク質が必要です。
また、大豆などの植物性たんぱく質や穀物は、消化器官に負担がかかるので注意して食べさせなくてはいけません。このため、最近では、穀物を一切含まないグレインフリーのドッグフードも人気です。
さらに、成長の時期や体格によって必要な栄養素のバランスも変わります。
ドッグフードの栄養基準は、2つの世界的な団体
「AAFCO(全米飼料検査官協会)」
「FEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)」
から提言されており、販売されている多くのドッグフードはこの基準に沿っています。
たとえば、100gあたり必要なタンパク質の量だけでも、次のように変わります。
団体 | 成犬 | 仔犬 | 母犬 |
---|---|---|---|
AAFCO(全米飼料検査官協会) | 18%以上 | 22.5%以上 | 22.5%以上 |
FEDIAF(欧州ペットフード工業会連合) | 18%以上 | 25%以上(子犬(14週未満))20%以上(子犬(14週以上)) | 25%以上 |
このように、愛犬の健康を維持するためには、年齢や体格に見合った栄養素が必要で、それらが十分に配合されているドッグフードを選ぶとよいでしょう。
今、手に取ったフードが、これらの基準を満たしているかどうか、是非、確認してください。
添加物が含まれている場合は注意する
添加物には、味や見た目を補うためだけでなく、栄養価を高めるための添加物、品質を保持するための添加物など、ドッグフードにとって必要なものもあります。しかし、とりすぎると、アレルギーの原因になったり、がんを誘発したりするなど、健康に害を及ぼす可能性があるといわれています。
2009年に施行された「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)」では、次のように、添加物の含有量に制限が設けられています。
分類 | 物質等 | 定める量(μg/g) |
---|---|---|
添加物 | エトキシキン・BHA・BHT | 150(合計量)犬用は、エトキシキン75以下 |
亜硝酸ナトリウム | 100 |
また、ドッグフードには、使用した添加物やその用途を記載しなければならない決まりがあります。できるだけ添加物の含まれていないもの、また、「見てもわからない!」という不安があるときは、無添加のものを選ぶのもよいでしょう。
原材料が信頼できるものかを確認する
ドッグフードには、「ペットフード安全法」や「ペットフード公正競争規約」に基づいて、次の項目を表示することが義務付けられています。
- ペットフードの名称
- 原材料名
- 賞味期限
- 事業者名及び住所
- 原産国名
- ペットフードの目的
- 内容量
- 給餌法
- 成分
ドッグフードの側面などにある表示を見ることで、どのようなものが入っているか、確認することができます。
ここで重要なポイントは、どのような原材料が使われているかです。
表示を見ると、「チキンミール」、「ミートミール」、「肉副産物」など、聞きなれない原材料が記載されている場合があります。
「ミール」は、人間の食品には使えなかった肉や骨などを粉末状にして固めたもの。
「肉副産物」は、毛、角、歯、蹄、と肉を除いた内臓など、肉を取り除いて残った部分をいいます。
もちろん、日本にはペットフード安全法があるため、これらは危険な原材料ではありません。
しかし、何かわからないものより、信頼できるものを選んであげる、これが安心だと思います。また、アレルギーの心配がある場合は、できるだけ避けてあげた方がよいでしょう。
今、人気のドッグフードは?
現在では、大手のペットフードメーカーだけでなく、インターネットを中心に国内産、海外産問わずさまざまなメーカーのドッグフードが販売されています。種類が多いだけでなく、それぞれフードにもこだわりや特徴があります。ここでは、いくつかの人気の国内産、海外産ドッグフードをご紹介します。
【国産】人気ドッグフード
国産ドッグフードとは、国内で製造されたドッグフードです。「国産」とついていても、原材料は、国産のものだけでなく、海外産のものを使用している場合もあります。
ここでは、人気の国産のドッグフード(ドライタイプ)をご紹介します。
・ コノコトトモニ : このこのごはん
特に小型犬に合うドッグフード。乳酸菌配合で、腸内環境を整え、特に室内犬には気がかりな、便や尿のにおいがきにならなくなるのも特徴です。
また、原材料に、たんぱく質分解酵素が豊富な「青パパイヤ」、ポリフェノールや食物繊維がたっぷりで「奇跡の木」と呼ばれるスーパーフード「モリンガ」も使われています。
原材料とその産地を100%表示。使用されている栄養添加物は1.5%以下、家庭料理と同じように作る、をモットーにしたドッグフードです。
また、「豚ごはん」や「鶏ごはん」、「魚ごはん」など、バリエーションも豊富で、アレルギーのある愛犬にとっては安心、アレルギーのない子は飽きない選択が可能です。
・ サクラペットフード : ドライフード(カリカリタイプ)
骨、皮、内臓を含まない新鮮な国産牛肉を使用。防腐剤(化学合成保存料)や合成酸化防止剤も、一切使用していないのが特徴です。
また、ペットフード専門の工場で生産。フード定期便で、常にできたて新鮮なドッグフードが届きます。
【海外産】人気ドッグフード
ペット先進国の欧米では、日本よりもかなり早い段階で、ドッグフードに厳しい安全基準を設けていました。
栄養素にこだわりのあるもの、材料にこだわりのあるものなどさまざまです。
ここでは、人気の海外産ドッグフード(ドライタイプ)をご紹介します。
・ CANAGAN(カナガン)
・ Mog Wan(モグワン)
ココナッツオイル配合、着色料・香料不使用、グレインフリー、ヒューマングレードのイギリス産のドッグフード。手作りごはんのレシピから生まれた美味しさが特徴です。
欧州ペットフード工業会連合(FEDIAF)の厳しい基準をクリアした安心の施設で作られ、フードにはそれぞれ製造番号がつき、生産日、原材料のロットまでトラッキングができるようになっています。
血糖値や体脂肪の上昇・増加につながる単糖の多い穀物は使用せず、低GI穀類使用しているカナダ産のドッグフード。ハーブをふんだんに使用しているのが特徴です。
キャッチフレーズは、「あなたの愛情があるから」。原材料のほとんどをカナダで調達し、自社工場で製造されています。
人気上昇中のドッグフードは?
近年、愛犬の健康を気遣う飼い主さんに注目されているという「プレミアムドッグフード」
このプレミアムドッグフードとは、いったいどのようなものなのでしょうか。プレミアムフードとは何か、何を基準に選んだらよいのかをご紹介していきましょう。
プレミアムドッグフードとは?
プレミアムドッグフードとは、一般的に、高品質な原材料を使い、添加物を必要最低限に抑えることで、犬の健康にこだわったドッグフードを指しますが、実際には明確な定義はありません。
プレミアムドッグフードには、たとえば、人間向けの食品と同等の衛生・管理基準(人間が食べられる品質)で作られた「ヒューマングレード」のドッグフード、添加物を使用しない「無添加」のドッグフードなどが挙げられます。
大手のペットフードメーカーのドッグフードも、愛犬に必要な栄養素やカロリーの基準を十分に満たしています。しかし、それ以上のものを与えたいというときは、プレミアムドッグフードは要チェックです。
では、どのように選べばよいのでしょうか。
プレミアムドッグフードの選び方
プレミアムドッグフードには、次のような特徴があります。
- 良質の動物性タンパク質が豊富なもの
- グレインフリーやアレルギーに考慮した穀物を使用しているもの
- 無添加や添加物の使用が必要最低限に抑えられているもの
このようなドッグフードに含まれる栄養素に加え、プレミアムドッグフードに期待するのは、安心と安全です。
安心や安全を判断する基準は、人間の食べるものと同様、使われているものが明確で、表示がわかりやすいこと。
特に、情報として、「材料の信頼性」と「トレーサビリティ」がポイントとなります。
材料の信頼性
原材料の表示が明確であること。これが一番大切です。
どのような素材を使用しているかに加え、どのようなところで育てられた素材を使用しているのか、といった情報は、選択するうえでとても重要なポイントになります。そして、これらの情報を正確に提供しているメーカーのドッグフードは、安全性が高いと考えられます。
トレーサビリティ
トレーサビリティとは、商品の生産から消費までの過程を追跡することです。
原材料の産地や生産工場が、正しく確認できるメーカーのドッグフードは、安全性が高いと考えられます。
このような配慮がされているかも、選択の基準となります。
人気のプレミアムドッグフード
プレミアムドッグフードは、それぞれ対象年齢や対象犬種、主原料なども異なり、こだわりを持って作られたドッグフードが多いのが特徴です。
条件に合った、理想のドッグフードに巡り合える確率も高いかもしれません。
ここでは、そのなかでも人気のプレミアムドッグフードをご紹介します。
・ ミシュワン
全犬種・全年齢期に対応。グレインフリー、無添加・高品質のプラチナムフードです。
皮膚疾患に良いとされる「オメガ3」、間接に良いとされる「グルコサミン」、「コンドロイチン」、「メチルスルフォニルメタン」を配合。消化の良い、高品質な動物性タンパク質(チキン、ターキー、サーモン)を60%以上使用しています。
・ オーガニックキッチン : ソルビダ
カロリーが低めで、運動不足がちな室内犬に最適。添加物は必要最低限、グレインフリー、厳選されたオーガニック素材を使用したドッグフードです。
主原料は、ターキーやチキンから選択でき、体の弱い犬、アレルギー体質の犬でも安心して食べられるドッグフードです。
・ 華ちゃん犬猫健やか本舗 : うまか(UMAKA)
無添加、グレインフリー、国産素材にこだわったヒューマングレードのドッグフード。
さらに、「九州産華味鳥」をはじめ、原材料は国産素材をメインに使用した、ノンオイルコーティングのドッグフードです。
衛生、品質管理が行き届いた工場で生産されているため、安心して与えられます。
まとめ
人気のドッグフードと、プレミアムフードについて紹介しました。
犬は、人間と違っていろいろな料理を楽しむことはありません。それでも、おいしいものが大好きで、毎日のごはんを楽しみにしています。
プレミアムドッグフードは、価格が高めのものも多いですが、元気に長生きしてほしい愛犬が毎日食べるもの。選択肢の一つに入れてみませんか?
総合栄養食であるドッグフード。毎日食べるものなので、愛犬にとっておいしくて、食べやすくて、安心できるドッグフードを探してあげてください。