柴犬と猫の相性は?柴犬と猫が上手く暮らしていける3つのポイント

犬のなかでも人気の高い柴犬は、猫と暮らしているご家庭も多く、柴犬と猫が仲良くじゃれあっている動画がSNSでも話題になっていますね。

ペットの室内飼いが増えた近年は、先に猫を飼っていて、その後犬も迎えて犬と猫が同居する光景もよく見られるようになりました。しかし、そもそも柴犬と猫は一緒に暮らしていけるほど相性がいいのでしょうか。

柴犬は、猟犬としても活躍していたため賢く勇敢でその反面、警戒心が強く頑固な気質をもっています。専門ブリーダーのなかでは、日本犬らしい柴犬の特徴を表す言葉として、「精神的な大胆さ(恐れ知らず)」「忠誠心」「警戒心」の3つを挙げています。

これらの特徴が組み合わさって、面白く、知的で、強い意志を持ったこの犬種の気質を作り出しています。つまり、静かに自由気ままにマイペースに過ごしたい猫とはまったく対照的な性格の犬種ということです。

そこでこの記事では、これから柴犬を迎えようとしている方に、猫との同居で失敗しないためのポイントをご紹介します。

柴犬と猫の相性

柴犬は、日本犬として天然記念物にも指定されるほど歴史が古い犬種です。もともと、鳥やウサギなどの小動物を追うために飼育されていた犬種で、イノシシを狩るために使われることもありました。日本古来の猟犬の性格を持ち合わせ、忠誠心が強く勇敢な気質をもっています。

一方で、独立心と頑固な面をもっているため、家族以外の存在には強く警戒心をもつ傾向もあるのです。そのため柴犬が猫と初めて同居する際には、仔犬期からのしつけや訓練が必要になります。

また多くの犬種がそうであるように、柴犬にも猫とうまくやっていける子とそうでない子がいます。大切な観点は、攻撃的すぎない性格の犬と、臆病でもなく支配的でもない猫の相性がよいとされることです。適切な性格の組み合わせであれば、双方がアクティブで刺激的な生活を送ることができるでしょう。

上手く暮らしていくための3つのポイント

猫の素晴らしいところは、時間さえあれば周囲の環境に順応していくことです。しかし、それはすぐにできることではなく、猫が新しい環境で快適に過ごせるようになるまでには、通常、数ヶ月を要します。一方で仔猫の場合、生後数か月間は簡単に周囲の環境に適応し、その場で無理なく生活ができるのです。

柴犬を先に飼っている場合は、柴犬の態度が行動に表れてしまい猫や仔猫に「あなたはそこに住んでいてもいいが、ボスは私だよ」ということを明確にします。では、柴犬が猫の後に家にやって来る場合はどうでしょうか。柴犬のしつけの観点からみていきましょう。

①柴犬にしつけをする

柴犬は猟犬の気質から受け継いだ支配的な傾向があります。自分が主導権を握るのが好きなので、自己主張の強い猫を飼っていると、主導権争いの渦中に巻き込まれてしまうかもしれません。逆に、従順すぎる猫の場合は、猟犬として飼われていたなごりから、動くものに敏感な柴犬の狩猟本能を刺激してしまいアンバランスな状態になりかねない場合もあります。

柴犬に適切な社会化が訓練されていれば、猫とうまくやっていけるかもしれません。また柴犬と猫を離乳期から一緒に育てることで、生涯にわたって仲良く暮らせる可能性が高まるでしょう。あやまって猫を噛んで怪我をさせてしまうことがないよう、飼い主さんが群れのリーダーであることをしっかりと犬に認識させ、しつけを行うことが重要です。

また飼い主さんが柴犬に愛情を注ぐなかで、猫も目の前で可愛がる姿勢を見せることが大切です。「猫はあなたにとっても大切な家族だよ」と犬に優しく言葉をかけましょう。

②徐々に会わせてお互いをケアする

縄張り意識が強い猫にとっては急に柴犬が同じ室内に入ってくると、攻撃的になってしまう可能性があります。しばらく別室で飼い、お互いのにおいの分かるもの(タオルやベッド)を側において、においの付いた物から慣れさせるようにしましょう。新しく来た柴犬の仔犬を構いがちになりやすいですが、きちんと猫にも同じ愛情を注いでケアをしましょう。

また柴犬の仔犬を入手する際は、ブリーダーに猫と一緒にいたことがあるかどうか、あればそのときの様子を聞いてみましょう。また、同胎兄弟との遊び方も見てみましょう。特に攻撃的で乱暴に遊ぶのが好きな子は、そもそも猫との相性が良くないかもしれません。

ほかの仔犬と穏やかに楽しむ気質を示す仔犬であれば、猫とうまくやっていける可能性があります。柴犬の仔犬を選ぶ段階から、猫と同居させることを踏まえた性格なども確認しておきましょう。

③猫専用のスペースを作る

仲良くしているように見えても、猫にとっては活発に動く柴犬がストレスに感じることもあります。解決策として、犬が届かないような逃げ場所を作ってあげましょう。犬がジャンプできない高さの場所に寝床を作ったり、隠れられる箱などを置いてもいいですね。ごはんやトイレも柴犬とは別々の所へ配置してあげると猫は安心して生活できます。

猫専用のスペースで猫を避難させている間は、上手に柴犬の気をそらしご褒美を与えて、柴犬の仔犬が望む行動を強化しましょう。ちなみに柴犬の仔犬は、噛めるものなら何でも噛んでしまいます。そのなかには仔猫も含まれてしまうため、小さな仔猫とはうまくいかないかもしれません。

また柴犬は、おもちゃや食べ物など、自分のものだと思ったものにはとことん執着する傾向があります。柴犬が食事をしている間は、猫を別の部屋に置いておくと、トラブルを防ぐことができるでしょう。

柴犬の社会性を育むために

柴犬の社会性を育む方法の一環として、柴犬の仔犬が家にきたら、必ず先に居る猫に紹介しましょう(その逆も同じです)。仔猫の場合は、ケージに入れて柴犬がにおいを嗅いで慣れるようにします。

数分後、柴犬にリードをつけ、誰かに抱っこしてもらい、あなたがケージの扉を開けて猫や仔猫を抱き上げます。猫をゆっくりとあなたの膝の上に置き、柴犬に優しく言葉をかけて褒めてあげましょう。それがしつけになり、繰り返し行うことで、飼い主さんの優しい言葉がけが猫と仲良くする合図になります。猫は自分のスペースをもちながら徐々に柴犬との生活に慣れて行くでしょう。

このように猫が先に居て、柴犬を迎える場合はお互いに慣れる時間が必要です。嗅覚に優れた動物同士ですから、まずお互いのベッドや体に擦り込んだタオルなどを交換したりしてみましょう。

また柴犬は、警戒心が強めで過剰な接触を苦手とする性格だというところにも配慮します。猫と同居させることも高い社会性が必要です。幼い頃から社会性を育むために、さまざまな物や人、音、ほかの動物などにも慣れさせておくことが重要になるでしょう。

生後半年を過ぎたら避妊・去勢手術をすれば、攻撃的な衝動を抑えらる可能性があります。専門家のアドバイスが必要な場合は、この犬種に精通したブリーダーや動物行動学者、専門トレーナーに相談してみてください。

まとめ

柴犬と猫は相性がいいのかどうかは、その子の性格や環境に影響するということです。往々にして犬と猫というまったく気質の異なる動物が一夜にして仲良くなるわけではありません。飼い主さんが環境に慣れさせる配慮をしていければ、いずれは相互に歩み寄ることができるでしょう。

いちばん簡単に柴犬と猫のバランスのとれた関係を築くには、両方を若いうちに迎えて一緒に育てることです。穏やかな性格の仔犬を迎えて、猫も仔猫から一緒に育てるとほとんどは早くに家族の一員として双方がかけがえのない存在になるでしょう。

どちらかが先に居て、後に柴犬または猫を迎える場合はとくに飼い主さんの努力が必要になってきます。柴犬と猫が相性よく幸せに暮らしていく方法は、両方を同じように可愛がってしっかりと環境を整えてあげることなのです。

すでに自己主張の強い猫がいる場合は、頑固な気質の柴犬も引かないので、対立したらほとんどの場合は真っ向勝負になってしまいます。逆にとても従順な猫でも、柴犬との相性がよいとはいえません。柴犬と猫が同じ社会的レベルで行動できるようになれば、バランスが取れてお互いが幸せに暮らせるでしょう。

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