犬と赤ちゃんの関係性。犬が危害を加えることはあるのか?

犬を飼っている時に飼い主さんの家に人間の赤ちゃんが生まれてくるということは、珍しいことではありません。

そこで気になるのが、「犬と赤ちゃんは一緒にいても大丈夫なのか?」ということでしょう。犬も家族の一員ですから、赤ちゃんが生まれるからという理由で犬は手放したくないというのが飼い主さんの気持ちでしょう。

結論から言えば、いくつかの点にきをつければ赤ちゃんのいる家で犬を飼うことは可能です。
むしろ、成長や情緒の発達に良い影響を与えてくれることも多く赤ちゃんにとってプラスになることもたくさんあります。

では、もしも赤ちゃんがいる家で犬を飼うならば、何に気をつけるべきなのでしょうか。
これらの疑問を解説していきます。どうぞ最後までお付き合いください。

 犬は人間の赤ちゃんをどのように認識しているのでしょうか

犬はとても賢い動物です。
においや声の雰囲気、動きなどで赤ちゃんであることを認識しているようです。
犬は視覚よりも嗅覚や聴覚に優れているため、赤ちゃんの独特なにおいや声のトーンで本能的に赤ちゃんであることを理解します。
犬にとっても赤ちゃんは小さな守るべきものなので、乳幼児に噛みつくことはほとんどありません。

赤ちゃんが成長して、自分で動けるようになると犬にかまいすぎたり手加減なしで犬を触ってしまうことがあります。
それを犬が嫌がって噛みついてしまうということがないわけはありませんが、赤ちゃんが自分から動くことができない乳児の間ならば、その心配もありません。
むしろ犬は自分よりも弱い赤ちゃんは守るべきものと認識しているので、赤ちゃんを守ろうとすることもあります。
ただし、犬にも性格があり、すべての犬が赤ちゃんのことを好きなわけではないので、犬が近くにいる時は目を離さないようにしましょう。

一緒にいることのメリットは?

『ペットと子どもに関する調査』※にて、「子どもが小学校を卒業するまでにペットと過ごすとどのような影響があるかに」ついての調査が行われています。
「ペットが子どもに与えた影響について」の項目で、第1位となった回答が「思いやりの心を持つようになった」です。実に半数以上の51.3%の人がこのように答えています。
1位に続く回答は「動物が好きになった」「命の大切さを理解できるようになった」でした。
犬の世話をすることで子どもの協調性や共感性が豊かになると感じており、犬と遊ぶことで思いやりや優しさが育つことを実感としている人が多いようです。

子どもの情緒の発達に犬はとても役に立つというのが、実際に子どもを育てながら犬を飼っている人の感想です
実際に犬と一緒に育つことからしか得られないことはたくさんあります。犬と一緒に育つことで小さいうちから自分以外の生き物を大切にする意識が育つことは、お子さんにとっては大きなプラスになります。
※2017年アイペット損害保険会による調査『ペットと子どもに関する調査

一緒にいるデメリットは?

犬は赤ちゃんが自分より弱い立場にあることを本能的に察知しています。
だからと言って犬が赤ちゃんに絶対に危害を加えないとは言えません

時として子どもは予想不可能な行動をすることがあり、急に犬のしっぽを掴んで引っ張るというようなアクシデントが起こることもあります。
そんな時、犬がビックリして反射的に噛んでしまうことがないと言えないことが最大の不安なポイントです。
赤ちゃんは予測不可能な行動をしたり急に大きな声を出したりするため、赤ちゃんが苦手な犬もいます。

事故を防ぐために、赤ちゃんが苦手かどうか飼い犬の性格は把握しておきたいですね。

赤ちゃんと一緒に犬を飼うときに気をつけたいこと

赤ちゃんがいる家で犬を飼う場合、具体的には何に気をつければいいのでしょうか?
気をつけたいポイントを紹介します。

犬の健康管理をしっかりする

犬がかかる病気は人間にうつらないものもありますが、犬からうつる感染症があるのも事実です。
犬の口の中にいるパスツレラ菌は、抵抗力の弱い赤ちゃんに感染すると肺炎を起こしたり引っかかれるとひどい炎症の原因になります。
パスツレラ菌は犬の約75%が持っていると言われているので、ぜひとも感染には気をつけたいところです。

他にも重症化する感染症があるので、犬の体調に不安がある場合は、すぐに動物病院に連れていくことも大切です。
また、犬に触ったら必ず手を洗うことを習慣づけましょう

抜け毛の掃除をする

動物の毛はどうしても次のような心配があります。

  • アレルギー
  • ダニ
  • 汚れ
  • フケ

定期的なトリミングやシャンプーを行い、犬の体を清潔に保つことが重要です。
抜け毛にも気をつける必要があります。
特に換毛期にはこまめに掃除をして抜け毛が部屋に残らないようにすることが大切です。
また、抜け毛を赤ちゃんが吸い込まないように床に寝かせずベビーベッドに寝かせるようにしましょう。
犬が近づいてなめたり噛んだりするリスクも避けられます。

犬のトイレの掃除はマメにする

まれに赤ちゃんが犬のふんを口にいれてしまうアクシデントが起こります。
きちんと予防接種を受けている室内犬のふんであれば、健康上の大きな問題はないですが、親としては心配ですよね。
事故が起きないように気をつけるのも親の大切な仕事です。
犬のトイレ掃除はこまめに行い、トイレに排泄物が残らないようにしましょう。

ケージを準備する

室内で犬を飼っている場合、24時間ずっと犬と赤ちゃんを見ていることはできません。
どうしても目を離さなければならない時のためにもケージは必ず用意しましょう。
食事の用意をしているとき、掃除をしているとき、夜眠るときなど犬にはケージで過ごしてもらうと安心でしょう。

目を離さない

何かトラブルが起きる場合、その多くは目を離したすきに起きるものです。赤ちゃんと犬とが一緒に生活していく場合、大切なのは目を離さないことがいちばん大切です。
きちんとしつけをしていても、急な出来事で犬が思いもよらない行動をすることもあります。少しの時間だから大丈夫、といった油断が事故を招いてしまうかもしれません。赤ちゃんと犬が同じ部屋にいるときは特に気をつけましょう

目を離さなくてはならない時はケージを利用するようにしてください。

まとめ

注意しなくてはならないことはいくつかありますが、赤ちゃんがいても犬を飼うことには様々なメリットがあります。成長するに従って犬から学ぶことも多いでしょう。
幼いうちから命の大切さや他者への思いやりを学べることは、他では得られない財産にもなります。

デメリットやリスクがないわけではありませんが、悪いことが起きるかどうかは親であり飼い主さん次第です。いくつか紹介した気をつけるべきポイントに気をつけてお互い快適に過ごしたいですね。
また、犬のしつけもしっかりしておくことも大切です。

赤ちゃんが生まれる前に犬のしつけはすませておきましょう

アクシデントを避けることができれば犬はきっと良きパートナーとして赤ちゃんを守り、一緒に成長していってくれるのではないでしょうか。
親は赤ちゃんが生まれて赤ちゃんのお世話で手一杯になり、犬にかまってあげられないこともあるでしょう。
犬が赤ちゃんに対して犬がやきもちを焼いてしまう可能性もあります。
赤ちゃんが寝ている間にたっぷり犬と遊んで今までと変わらない愛情があることを示してあげることも大切です。
守るべきことを守り、赤ちゃんと犬との生活を楽しんでくださいね。

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