ペットは大切な家族の一員ですよね。そんな愛犬がごはんを快適に食べるために欠かせない「犬用食器」、実は何でも良いわけではないんです。
小型犬と大型犬では適したサイズや深さが異なりますし、犬の種類や体格、年齢、鼻から口の長さ(マズル)、犬の食べ方などの個性によっても適したタイプが違います。
不自然な姿勢での食事は、首や背骨、足腰等に負担がかかり、健康を害することもあります。また、喉に詰まったり、吐き戻してしまう犬もいます。なので、犬用食器は犬の健康のために快適で衛生的なものを、そして飼い主さんにとっても使いやすいものを選ぶのが良いでしょう。
【犬用食器の選び方】
犬用食器を選ぶときにチェックすべきポイントは、サイズや高さ、素材、便利な機能、洗いやすさなどです。選び方のコツ等をご紹介していきます。
【サイズで選ぶ】
*大型犬や老犬には「ハイタイプ」や「スタンド付き」
犬用食器には、取り外せるスタンド付きや安定感のあるハイタイプ、食器台付きなどの種類があります。老犬になると首を曲げづらくなったり、食べものを喉に詰まらせやすくなったりするため、床から少し高くフードボウルを設置してあげることで、首や腰への負担を和らげ、無理のないスタイルで食事することができます。
成犬や大型犬の場合も、床置きにすると食事の姿勢に無理がかかります。犬が立った姿勢から首を軽く下げて
食べられるのが最適な食器の位置です。犬の体格に合わせて、適切な無理のない高さのものを選んであげましょう。
*小型犬や仔犬には「開口部が小さめ」
トイプードルなどの小型犬種や仔犬の時期には、食器の開口部が広すぎると、食べている間にフードが散らばって食べづらくなってしまいます。また、顔や体を移動させながら食べるので、負担がかかってストレスにもなり、健康に良くありません。
犬用食器の開口部は、犬の大きさと鼻から口までのマズルの長さに合わせて、広すぎないものを選んであげましょう。
*マズルの短い犬には「浅型」「角度があるもの」
パグやフレンチドッグなどのマズルが極端に短い犬種用には、深さにも注目してみてください。浅くて開口部に顔が入る広さで、角度が付けられる食器がおすすめです。安定性も大切なので、重量感のある素材で滑り止め付きが良いでしょう。
【素材で選ぶ】
*衛生面と耐久性にこだわるなら「ステンレス製」
ステンレス製の犬用食器は、食器を噛んでしまうクセのある犬にオススメです。噛み癖を直すのにも役立ちます。落としても割れることもないし、サビにくく、耐久性に優れています。耐熱性もあり消毒にも耐えられるので、衛生的に使えることもメリットです。
床面に置く場合などは滑りやすいので、底部に滑り止めが付いているものや、滑りにくい台が付いているものがオススメです。ただし、金属アレルギーを持つ犬の場合は使えないので注意しましょう。
*価格やデザイン性にこだわりたいなら「プラスチック製」
プラスチック製の犬用食器は、比較的安価で購入できます。形や色などの種類が豊富で、デザイン性の高さでも人気があり、軽量なため抜群の扱いやすさがメリットです。
しかし、噛み癖のある犬の場合、すぐに壊れてしまったり、表面に傷が入ると雑菌が繁殖してしまったりする恐れがあるデメリットもあります。また、安定感に欠けるので、食べていると動いたりひっくり返ったりしてしまう場合もあります。その場合はマットを使用するなどの工夫をすると良いでしょう。
*おしゃれなデザインと動きにくさなら「陶器製」
陶器製の犬用食器は、重量があることで食事中にも動きにくく安定感があるため、犬にとって食べやすいことがメリットです。おしゃれでカラーが豊富な商品もあるので、デザイン性の高さも魅力で人気があります。
また、金属アレルギーの場合にも、心配がありません。しかし、衝撃に弱く割れやすいのがデメリットです。
【機能で選ぶ】
*外出時用なら「折りたたみ式」
帰省や旅行、ドライブなどのお出かけ用には、柔らかいシリコン製などで折りたためる食器が便利で
オススメです。また遠出の時だけでなく、散歩の時に水入れ用として持ち歩くのにもオススメです。
また折りたたみ式の商品は災害時にも役立ちます。防災グッズの中に最低1つは常備しておきましょう。
*負担を和らげたいなら犬用「食器台付き」がおすすめ
冒頭でお話したように、不自然な姿勢での食事は、首や背骨、足腰等に負担がかかり、健康を害することもあります。犬の健康を守るためには、食器の高さ調節は重要事項なんです。
そこでオススメなのが食器台付きのもの。様々な種類のものがありますが、フード用と水飲み用の食器が
並べて置けるタイプもあります。
中には、高さ調節機能が付いたタイプもあります。幅広い犬種に対応できますし、愛犬の成長に従って高さを変えることもでき、とても便利です。
*急いで食べ過ぎる犬には「早食い防止」機能付き
早く食べ過ぎると、消化不良を起こし、胃腸への負担がかかってしまったり、喉を詰めてしまったりなど、
犬の健康に良くありません。そこで、早食いが気になる犬には、早食いを防止できる機能付き食器がオススメです。
器の内側に凹凸があり、食べにくい構造になっていて、食べるのに時間がかかる仕組みになっています。
早食い防止だけでなく、時間稼ぎをしたい場合にも便利です。また、ゆっくり食べることで、肥満問題を避け、ダイエット効果もあります。
*留守がちな方には「自動給餌」機能付き
飼い主さんが残業や外出などで愛犬の側にいなくてもスマホで定時定量に餌やりできる便利な自動給餌器です。仕事等で外出が多い方や、一人暮らしでタイミングよく給餌してあげられない方にオススメです。
例えば、あらかじめ必要な量をセットしておき、タイマーで設定時間が来たらフタがあくようになった商品もあれば、スマホ連動させ、外出先から愛犬の留守中の様子が見られる機能が付いたものもあります。
【洗いやすさもしっかりチェック!】
犬用食器は毎日使用するため、洗いやすさにも注目してください。汚れが残ってしまうと雑菌の繁殖の原因にもなってしまいます。犬の唾液や雑菌でぬめりが発生するため、水飲み用も含めて、できるだけ頻回に洗うのが良いでしょう。ぬめりがある場合は食器用洗剤でしっかりと洗いましょう。
構造が複雑なもの、また極端に重すぎたり、大きすぎたりするような扱いにくいものは、避けるようにしましょう。洗い残しなくしっかり洗える形状かどうかもチェックして選びましょう。安価なものであれば、定期的に買い替えてしまうのも良いでしょう。
【まとめ】
愛犬の健康を守る犬用食器選びには、素材の他に大きさや形状、高さや安定性が大切なポイントです。犬の大きさや犬種、食べ方の癖に合わせた食器を選んで、負担をなくしてあげましょう。食事は犬にとって毎日のことですので、食べやすいに越したことはありません。愛犬の健康的な食生活のために、愛犬にあった理想の食器を探してみてください。