ペットの犬を家族の一員としてかわいがる方も増えており、「愛犬に手作りごはんを作ってあげたい」と考える方が増えています。ですが、犬の手作りごはんをこれから始める方は「人間と同じレシピで良いかな…?」
「手作りごはんは健康に良くないと言っている人もいるし…」と何かと不安が多いと思います。
そもそも市販のドッグフードだって原材料に立ち返ってみると、手作りごはんとほとんど同じ食材ですので、、安心して与えて良いのです。
とはいえ、人間とは異なり、犬ならではの必要な栄養素があったり、人間が食べても無害なものでも犬が食べてしまうと有害な食べ物もあります。
また、個々の好みや成長段階に応じたご飯を与える必要があったりするので、きちんとした知識に基づいて料理を作ることが大切です。
【人間と犬の栄養素の必要量で違いは?】
人間と犬の大きな違いは、タンパク質の必要量とカルシウムなどのミネラルの必要量です。
人間の場合は「体重1kgあたり1gほどのタンパク質」を毎日摂取する必要があります。
犬の場合は人間の約4倍が必要といわれています。ですから、「体重1kgあたり4gほどのタンパク質」を毎日摂取しないといけません。
【犬に与えてはいけない食材を知ろう!】
手作りごはんを作る上でとても大事なのが、犬に与えてはいけない食材を知ることです。犬にとって毒性のある食材や可能性のある食材はあげないのが基本となります。人間が食べても無害なものでも、犬が食べてしまうと有害で、最悪の場合、命を落としてしまう食材もあります。
手作りごはんやおやつとして人の食べ物を与える前に、必ず食べさせてはいけない食材・与え方に注意が必要な食材をしっかり理解して、犬の手作りごはんを作る際には気をつけましょう。犬に健康に長生きしてもらうためにも、犬にとって食べてはいけない食材の知識を持つことは大切なことです。
【絶対に犬に与えてはいけない食材】
*ネギ類*
犬の赤血球に毒性のある物質が含まれています。中毒を起こし、貧血や血尿、喘息、皮膚炎などになってしまいます。最悪の場合、命を落としてしまいます。
*ぶどう・レーズン*
ぶどう・レーズン症候群とういうものがあり、急性腎不全になってしまう危険性があります。
*チョコレート*
チョコレートなどのカカオを含むものは、犬が大量にたべると下痢や嘔吐の症状が出るほかにも、大量に摂取した場合は死に至る可能性があります。
*カフェイン*
コーヒーなどに含まれるカフェインは中枢神経を興奮させる作用があるため、てんかん発作や痙攣を起こしたことのある犬は注意が必要です。
*アボカド*
アボカドに含まれているぺルシンという物質によって中毒(嘔吐や下痢)を起こしてしまう場合があります。
*ナッツ類*
消化不良を起こすことがあります。特にマカダミアナッツは、無気力、嘔吐、発熱などの中毒を起こす危険性があります。
*はちみつ*
ボツリヌス菌という細菌が入り込んでいることがあり、人間でも1歳未満の子供に与えてしまうと胃腸の機能が十分に発達していないため中毒を起こす危険性があります。子犬に与えるのは控えましょう。
*生肉*
人間でもよく問題になりますが、食中毒や消化器障害を起こしてしまう危険性がある、病原性細菌が潜んでいる可能性があります。生のお肉は絶対に与えないでください。
*鶏の骨*
軟骨のような部位であれば食べても問題はありませんが、縦に裂けて消化管を傷つける可能性があります。犬に与える場合はしっかり取り外してから与えましょう。
*キシリトール*
キシリトールが入ったガムを食べた犬が急激な低血糖を起こしたという事例があります。元気がなくなったり、痙攣をおこし肝障害を起こす可能性があります。
【与えるのに注意が必要な食材】
*香辛料*
犬は香辛料自体は食べても問題ありませんが、人間より体が小さいので摂取量には注意が必要です。刺激の強い香辛料は犬の胃腸に与える負荷が大きいため、気をつけて与えるようにしましょう。
*貝類・甲殻類・淡水魚*
消化不良を起こしてしまう可能性やのどに詰まらせてしまう危険性があります。
与えるときは細かく刻んであげましょう。また、必ず火を通してから与えましょう。
*パイナップル*
食物繊維が豊富なので、下痢を起こすことがあります。
*干しエビ・煮干し・のり*
マグネシウムが多く含まれているので、尿路結石症の原因となる可能性があります。
*レバー*
脂溶性ビタミンが豊富に含まれているので、与えすぎると過剰症の危険性があります。
*たけのこ*
食物繊維が多く含まれているので、消化不良を起こすことがあります。
与えるときは少量を細かく刻みましょう。
*乳製品*
人間でもお腹を下す苦手な人が多いですが、犬も乳製品が体に合わない子がいます。
個体差があるので、与える際は少しづつ徐々に量を増やしながら与えるようにしましょう。
*たまご*
ビタミンの吸収を阻害してしまいます。全卵で与えるか、加熱してから与えてください。
*ほうれん草・ベリー類*
シュウ酸カルシウム尿結石症の危険因子です。与える場合は、少量にしましょう。
ホウレン草は茹でて、あく抜きしてから与えましょう。
*果物*
糖分が多く含まれているので与えすぎに注意。種のある果物は丸呑みすると腸閉そくの危険性があるので種に注意が必要です。
【基本の調理方法】
なんでも自由に作って与えてしまうと、愛犬にとってもデメリットが大きいです。愛犬用に使う食材は、消化をよくするため、煮たり、細かく刻んだりなどの工夫が必要になります。まずは基本を知っておきましょう。
*食材は愛犬のお口に合わせてカット*
基本みじん切りとまでは言いませんが、細かい方が良いです。食材を細かく切るのが面倒であれば、フードプロセッサーでピューレ状にするのも良いでしょう。
*肉や魚はしっかり火を通す*
肉や魚は火を通して使います。衛生面を考え、しっかり加熱するのがベストです。
骨は喉に刺さる危険がありますので、取り除くか細かく粉砕してから使いましょう。
*手作りごはんに含む水分量を調整する*
人間にとっても、犬のとっても、水分の摂取は健康にとって重要です。ドライフードと手作りごはんの一番の違いは、含まれる水分量です。水分を接種すると、栄養の吸収率を高め消化吸収を支えることができます。
*やけどに注意*
犬は、人のように冷ましてから食べたり、温度の様子をみながら口をつけたりすることができません。愛犬がやけどしないよう、注意しましょう。食欲が増す、程よい温度(38~40度)で、ごはんをあげられるように工夫しましょう。
*人と同じ味付けにしない*
犬は、人間よりも塩分過多になりやすい動物です。人間と違って犬は、汗によって塩分を体外に排出しないため、人と同じものを食べていると塩分過多になってしまいます。味付けの際は、塩の量に注意しましょう。
【どんなレシピがあるの?】
犬のごはんのレシピも人間と同じで色々な種類があります。作りたい気持ちはあっても、どんなレシピが良いかもわからないし、気を付けないといけないことも多いし、難しそう…と諦めるのは、早いです!
最近では、プロや獣医師が考案した犬の手作りごはんレシピ本の発売や、愛犬家たちが集まり、愛用しているレシピの投稿サイトなどが沢山あります。特に投稿サイトでは、犬を飼っているユーザー同士で、悩みや疑問を質問・相談もできるので、料理の幅が広がることもあります。
また、初心者向けのレシピなどもあるので、気になる方は是非調べてみて下さい。
以下参考サイト掲載
【まとめ】
手作りごはんは、愛犬のその日の体調や運動量、病気の状態などに合わせた食事が用意できます。更に飼い主にとってうれしいのは、手作りごはんを与えることで、愛犬とコミュニケーションが取れるのです。犬が幸せそうに食事をする姿を見れたことで、喜びを感じる飼い主の方も多いです。飼い主にとっても愛犬にとっても、楽しくて幸せな時間が増えるのはとても良い事です。
自分の生活に無理があると、長続きしませんので、たまに時間ができたら…、週末だけでも…、とそんな風に「ちょっと作ってみようかな」と思えたら、是非手作りごはんを試してみてください!愛犬との日常の生活をより良いものにしていきましょう!