後ろに倒れたり、ピクピク動いたり、犬の耳はさまざまな動きを見せてくれます。愛犬の耳のしぐさは見ていても飽きず、とてもかわいらしいですよね。
実は愛犬の耳の動きで、今の愛犬の気持ちがわかることをご存知でしょうか。尻尾や顔の表情以外にも、犬は耳でも自分の感情を教えてくれています。
「愛犬が、今何を伝えようとしているのか気になる」
と思っていた飼い主さんは、ぜひ犬の耳の動きにも注目してあげてください。
この記事では、耳のしぐさが表す犬の気持ちについて解説していきます。
耳の動きに注目して、愛犬の気持ちを理解してあげましょう。
耳のしぐさで分かる犬の気持ち
人のように言葉を話すことがない犬は、目や耳、尻尾などで仲間とのコミュニケーションを図っています。
犬の耳は、大きく分けて3種類に分類されます。
- 上に向かって立ち上がる「立ち耳」
- 根元だけが立っている「半立ち耳」
- ペタンと垂れ下がっている「垂れ耳」
愛犬の耳の種類は、この3種類のうちのどのタイプでしょうか。
犬種によって、それぞれ耳の種類に違いがあっておもしろいですね。
犬は耳介筋と言われる耳介にかけての筋肉が発達しているので、耳を自由に動かすことができます。
そのため、自分の喜怒哀楽を耳で表現することができるのです。
では、それぞれの耳のしぐさはどのような感情を表しているのでしょうか。
ピンと立った耳
犬の耳が上に向かってピンと立っている時は、何かに興味を示している時のしぐさです。
- 何かに注意を向けている時
- 飼い主の気配がする時
- 周囲の物音が気になった時
こんな時に、犬の耳はピンと上に向かって立ち上がります。
耳がピンと立っている時は、犬の表情にも注目してください。
穏やかな表情をしていれば、明るい気持ちであることが多いです。
愛犬は、何かに興味を示してワクワクしていることが多いでしょう。
逆に顔がこわばっている時は、危険を感じて警戒していることが多いです。
たとえばほかの犬であったり、何か愛犬にとって不安なものが近くにあるのかもしれません。
もし耳をピンと立てて険しい表情をしている時は、飼い主さんも周囲を確認してあげましょう。
耳がピンと立っている時に飼い主さんを見ていれば、しつけのチャンスです。
耳をピンと立てている時は何かに興味を示して集中しているサインでもあるので、この時にしつけをすると犬も覚えやすくなります。
このチャンスを活かして、犬にしつけを覚えてもらいましょう。
後ろに倒れている耳
耳が後ろに倒れている時は、犬に嬉しいことがあったり、リラックスしていることが多いです。
耳を後ろに倒して、落ち着いた表情で尻尾を左右に振りながらこちらを見ていれば、愛犬は飼い主さんに甘えたい気持ちになっています。
耳を倒しながら口を開けて尻尾を立てていれば、飼い主さんと遊びたい気持ちになっていることが多いでしょう。
ほかにも、耳を後ろに倒しながら目を細めているのも、犬によくみられるしぐさです。
これは、犬が安心している気持ちの表れです。
ほかの犬がいる時に、耳を後ろに倒して目を細めていると、その犬に対して敵意がないというアピールになります。
もし耳が後ろに倒れていて不安そうな表情をしている時は、犬が恐怖や不安を感じています。
このしぐさがみられたら、飼い主さんが愛犬をなでたり優しく声をかけたりして、安心させてあげましょう。
後ろに引いて横につきだしている耳
犬が耳を後ろに引いて横につきだしている時は、何かに警戒している時です。
同時に尻尾を立てて小さく振っている時は、犬にとって何か嫌なことを感じ取っていることが多いでしょう。
散歩中に犬が急に立ち止まって、耳を後ろに引いて横につきだしたら、何かに警戒している証拠です。
そんな時は散歩ルートを変えて、犬が安心して散歩できるようにしましょう。
ピクピク動く耳
犬が耳をピクピクと動かすのは、周囲の情報を集めている時です。
この動きは、初めて会う犬がいる場でよくみられます。
何かに興味や好意を示している場合が多いようです。
もし不安そうな表情で耳をピクピクさせていると、不安や緊張を感じていることが多いといわれています。
表情や尻尾の動きなど、耳以外の感情表現も観察して、犬の気持ちを察してあげましょう。
犬の気持ちを理解したら必要な対処をしましょう
犬の耳の動きは、時には顔の表情以上に犬の気持ちを表していることもあります。
飼い主としては、犬が喜んでいると思っていたのに実は警戒していた、怖がっていたなんてことも。
耳の動きで犬の気持ちが分かるようになると、犬の気持ちに寄り添って行動ができるようになります。
もしほかの犬と接触している時に不安や緊張がみられる場合は、トラブルになる前にすぐに引き離すなどの対処を心がけましょう。
トラブルを避けるためにも、いつでも犬の感情表現を観察して不安を解消してあげる必要があります。
犬は、常に自分の気持ちを耳や体の部位を使って表現してくれています。
耳の動きだけではなく、尻尾や顔の表情からも犬の気持ちを読み取ることが大切です。
耳を観察していて気になる症状があったら
耳の動きに注目していると、自然と愛犬の耳の状態が気になってくることがあるでしょう。
何度も耳をかいて気にするしぐさや、床にこすりつけることがあれば、これもまた犬が自分の気持ちを発しているサインです。
犬が耳をよくかく時は、耳が炎症を起こしているのかもしれません。
犬の耳がかゆい場合に考えられる病気は、以下の3つです。
- 外耳炎
- 犬アトピー性皮膚炎
- 耳血腫
病気以外に耳垢が大量に溜まっている時も、犬は耳をかくしぐさをします。
愛犬の様子がいつもと違うなと感じたら、なるべく早く動物病院で診てもらうようにしましょう。
まとめ
犬は、言葉が話せない代わりに全身を使って自分の感情を伝えてくれています。
特に耳は自由に動かせるので、犬の喜怒哀楽をさまざまな動きで表現することが可能です。
耳の動きだけで犬の気持ちを読み取ることが難しい時は、顔の表情や尻尾の動きも見てあげるとよいでしょう。
今回紹介した耳の動きは、ほとんどの犬に当てはまる感情表現の方法です。
しかし、愛犬だけの感情表現の方法があるかもしれません。
愛犬の感情表現をよく観察して、オリジナルのしぐさを見つけてあげてください。
愛犬だけにしかないしぐさを見つけると、なんだか嬉しくなりますね。
愛犬がするしぐさをヒントに、普段から気持ちを読み取ってあげることで、愛犬とよりスムーズにコミュニケーションを図れます。
今回紹介した内容を、ぜひ愛犬とのコミュニケーションに活かしてみてください。