秋田犬は日本原産の大型犬で、天然記念物に指定されている犬です。
がっしりとした骨太な体躯に細く長い脚が特徴です。小さいうちの見た目は柴犬に良く似ていますが、最終的には柴犬よりもはるかに大きくなります。
秋田犬は、渋谷の駅前で亡くなった主人を待ち続けていたという忠犬ハチ公で私たち日本人にはお馴染みです。
このエピソードからもわかる通り、秋田犬はとても我慢強く飼い主に従順です。
フィギュアスケートのザギトワ選手が「秋田犬が飼いたい」と言ったことから秋田犬保存会からザギトワ選手に贈られました。この出来事からもわかるように、外国の方にも秋田犬は魅力的に映るようです。
日本を代表する犬種のひとつである秋田犬。そんな秋田犬を子犬から飼うには何に気を付ければいいのか
- エサ
- 散歩
- トイレ
- お風呂
などのポイントを紹介します。
仔犬時代の秋田犬
秋田犬の仔犬にはどのような特徴があるのでしょうか。大きさや睡眠時間、散歩のさせ方などを紹介します。
一般的な体重
秋田犬は一般的な大型犬同様、生まれた時の体重は400〜500グラムぐらいです。しかし、成犬の標準体重が35〜50キロなのでかなり大きく成長します。
生まれた時の大きさが同じぐらいのシベリアンハスキーでも、成犬の体重が30キロあるかないかぐらいですから、それを上回る大きさということです。
それだけに大きくなるスピードも速いので、小さいうちから飼育環境には気をつけてあげましょう。
生後3ヵ月ごろには体重が8キロを超えるぐらいにまで成長します。柴犬の成犬ぐらいの体重になってもまだまだ仔犬ということです。
生まれたばかりの時の扱い方
秋田犬を家に迎えることができるのは、他の犬種同様、生後2〜3ヵ月ぐらいです。
秋田犬はあまりペットショップでの取り扱いがないので、ブリーダーさんから直接手に入れることが多いのではないでしょうか。
ブリーダーさんから、飼い方の注意点などをしっかり聞きましょう。
秋田犬は最終的に50キロ近くにもなる大型犬なので、仔犬のうちから小型犬以上にしつけをしっかりする必要があります。
仔犬時代の睡眠時間
子犬のうちは睡眠を20時間ぐらいします。
他の犬種同様、成長するに従って睡眠時間も減っていきます。秋田犬は元々寒い所の犬のため、厚い毛に覆われており、暑さに弱くなっています。
梅雨の時期や夏場は眠る場所の環境には気をつけてあげましょう。
散歩の開始時期
秋田犬はタフでスタミナもたっぷりある犬種です。朝晩30分ぐらいの散歩は欠かさずに行いましょう。
散歩は最後の混合ワクチンを打って抗体ができる2〜3週間後ぐらいにスタートするのが適切であると言われています。
早く散歩に連れて行きたいと思うでしょうが、仔犬は免疫力が弱いので、ワクチン接種が終わる前に外に連れ出すのはやめましょう。
秋田犬は飼い主にはよく懐き従順ですが、警戒心が強く飼い主以外には懐きにくい一面もあるので、仔犬のうちから他の犬や人に接する機会を多くして、さまざまな人や犬、物に慣れさせましょう。
エサのあげ方
仔犬のうちは消化器官が未発達なので、1回にたくさんの量を食べると消化不良を起こす恐れがあります。
1日3〜4回に分けて仔犬用のエサを与えましょう。
成長期はしっかり栄養を摂ることが大切なので、必ず仔犬用のエサを与えてください。体の成長速度が落ちてくる8ヵ月ぐらいを目安にエサを成犬用に切り替えましょう。
秋田犬の成長過程
犬全体の平均から見ると短めに見えますが、大型犬は小型犬・中型犬に比べて寿命が短い傾向にあるので、特別短いわけではありません。エサや医療、飼育環境の向上により犬の平均寿命は今後、伸びていく可能性が高いので、平均寿命はあくまでも現在の目安です。
月齢、年齢 | 体重・外見・育て方など |
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仔犬期(誕生〜7ヵ月) | 生後2〜3ヵ月で生まれて間もない時の体重は4〜5キロですが、6ヵ月を過ぎる頃には20キロ以上と5倍ぐらいの体重にまで成長します。 散歩の時間も増えていきます。 秋田犬は、自分がリーダーと認めた相手に対しては非常に従順ですが、警戒心が強いため認めてない相手に対して攻撃的な行動に出てしまうことがあるので、この時期からしっかりしつけを行いましょう。たくさん遊ばせて、その中ではっきりと主従関係を教えこんでいきます。散歩は社交性を身につけるためにもとても大切です。 |
青年期(8ヵ月〜3才ごろ) | 生まれて約1年で30キロにまで成長します。かなり大きいですね。 大体9ヶ月くらいで成長のペースがゆっくりになります。 この時期に仔犬用のエサをあげてしまうと栄養過多になり、肥満の恐れが出てきますので成犬用のエサに切り替えてましょう。 秋田犬のような大型犬は股関節が自体重に耐えられなくなり、「股関節形成不全症」という病気になってしまう恐れがあります。肥満が最大の原因とされている病気なので、体重のコントロールには気をつけたいところです。 また、散歩などで仔犬のうちから運動をたくさんさせることで脚の筋肉を鍛えておくことも股関節の病気の予防につながります。 また、室内で飼う場合は滑りにくい床にしてあげると股関節への負担を軽減されます。 |
壮年期(4才〜7才) | 成犬30〜60キロにまで成長します。 秋田犬の体のサイズは遺伝的な要素が強く、親犬の大きさを見ると、どのくらいまで成長するのか大体の予想ができます。 完全な成犬になるとかなりの大型犬になりますから、周囲の人が怖がらないような配慮が必要です。 室内で飼う場合は、犬にストレスがたまらないように十分なスペースを確保してあげましょう。 家の中で必要に応じてケージやクレートに入れますが、入れっぱなしにならないように気をつけてください。 |
シニア期(8才〜) | 年を取ってくると消化器官が衰えてくるのは人間も犬も同じです。 シニアにもなると消化器官が衰えてきますので、エサは1回の量を減らして3〜4回に分けてあげましょう。 フードもシニア用のフードに変えます。股関節に問題の起きやすい犬種ですので、関節をサポートするグルコサミン等の成分が配合されたエサもあるので、場合によっては検討してもいいでしょう。 |
秋田犬の育て方のポイント
エサの選び方
健康維持のために良質な動物性タンパク質の摂取が欠かせませんが、あまり高タンパクでも腎臓への負担が大きくなる場合があるので、動物性の原料と植物性の原料が半々ぐらいのバランスのエサが理想です。
意外かもしれませんが、成犬になると大型犬は小型犬や中型犬よりも1日の消費カロリーが少なめです。肥満を防ぐためにカロリーコントロールは必須です。
また、秋田犬は胃捻転を発症しやすい体型なので、それを防ぐために油脂が多く含まれるドライフードは避けましょう。
散歩の頻度
散歩は朝晩2回、トータルで1時間ぐらい行います。運動が不十分だとストレスをためてしまい、無駄吠えのような問題行動に繋がる事もありますので、運動不足には注意が必要です。
元々寒いところ原産のため、厚い毛に覆われており暑さには極めて弱い犬種ですので、梅雨の時期から夏場の散歩は時間帯を工夫するなどしてあげましょう。
トイレのしつけ
犬は元来、同じ場所で排泄する習慣がありません。また、寝床の近くで排泄は行わないため、トイレは寝床から離れた場所に設置することが大切です。
秋田犬のように大型犬の場合、トイレのサイズが小さいと落ち着いて排泄ができず失敗する可能性が高まります。ケージやクレーとでトイレのための専用スペースを作ってあげましょう。秋田犬は脚が長く、腰高な体型のためトイレが狭いと失敗しやすくなりますので、大きめのトイレが必要です。
お風呂の頻度
秋田犬は毛量の多い犬ですから、ブラッシングが必須です。特に換毛期は毎日ブラッシングをしてあげましょう。それ以外の時期は週に1〜2回行います。
シャンプーは月に1回ぐらいのペースで行いますが、体の大きな秋田犬を自宅でシャンプーするのは大変です。場合によってはトリミングサロンなどに任せましょう。自宅でシャンプーをする場合は、一般的な犬種と同様、顔周りが濡れると嫌がることが多いので足の方から徐々に濡らしていきましょう。
まとめ
秋田犬は仔犬時代のもふもふした愛らしい姿に、大型犬らしい大きな手がとても可愛い犬種です。小さいうちは柴犬にも似ています。
飼い主にはとても従順なので、最高のパートナーになりますが、社交性の高い犬種ではないので小さいうちからのしつけが非常に重要です。
体が大きいため、しつけが行き届かないと飼い主にとっても犬自身にとっても不幸な事故が起きてしまう可能性がありますから、その点には十分注意が必要です。
しかし、しつけの問題をクリアしてしまえば、素晴らしい家族の一員になれる秋田犬です。注意すべきことに気をつけて、ぜひ飼ってみてください。