犬に必要な睡眠時間はどのくらい?質の良い睡眠をとるための3つのポイント

「犬が寝ているところを見て、うちの子いつも寝ているけれど、こんなに寝るのは正常なの?」
「お隣の犬はあんまり寝ていないみたいだけど実際犬はどのくらい睡眠時間が必要なのだろう?」
などと思ったことはないでしょうか。

人間の場合、必要とされる睡眠時間は成人で6〜8時間とされています。

犬はどうでしょうか?

飼い主さんがそばにいても気づかずにずっと寝ている子、飼い主さんに合わせて夜もずっと起きている子と犬種や性格にもよりますが、睡眠の時間やタイミングは様々です。犬の睡眠時間は年齢にもよりますが、一般的には1日の半分以上の12〜18時間とされています。

犬は人間に比べて睡眠時間がとても長い動物です。

この記事では、なぜ犬は睡眠時間が長いのか、実際にはどのくらい眠るのが正常なのか、平均的な睡眠時間や
睡眠環境など、犬の睡眠についてまとめていますので、ぜひご覧ください。

犬にとって睡眠とは

pet dog laying on bed

犬にとって睡眠は人間と同様に体力を回復させるために重要です。

まだ犬が野生動物だった時代、狩りを行う時間以外は睡眠に当てて体力を温存するという習性があり、
それが今でも残っているからと言われています。

犬にとって睡眠は、日中に楽しかったことや感じたストレスなど、様々な出来事の記憶を眠ることで整理して
脳の疲労を回復させる役割があります。

夜、飼い主さんが帰宅した後、喜んで元気いっぱいでまったく眠るそぶりがなくても日中しっかり眠っているので心配ないことがほとんどです。

ただし、昼も夜も眠れていないようであれば、眠れるように改善してあげる必要があります。

犬の平均的な睡眠時間

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犬の睡眠時間は年齢や犬種によって異なります。

平均的な睡眠時間はどのくらいで、どのくらい眠れば正常なのかを見ていきましょう。

人間よりも長い睡眠時間

年齢に応じて犬の睡眠時間は次のように異なります。

年齢1日の睡眠時間備考
仔犬(0〜1才まで)18〜20時間活発に動くため、エネルギー消費量が多いため、1日の大半を寝て過ごす
成犬(1〜7才程度)12〜15時間1日の半分ぐらいを睡眠に充てる
シニア犬(8才〜)18〜19時間疲労回復に時間がかかるため1日の大半を寝て過ごす

仔犬とシニア犬は1日の睡眠時間が同じくらいですが、長時間眠る理由は少し異なります。

仔犬は起きている間、元気に走り回ります。おもちゃで遊ぶときもおもちゃを壊すくらい全力です。
それだけ動き回れば、遊んでいる時間以外は眠って回復していてもなんの不思議もありません。

シニア犬は、年々体力が衰えていき、回復するのに時間がかかります。

成犬の頃と同じ時間散歩をしていたら、それだけ体力の回復に時間がかかるので、その分眠る必要があります。エサを食べても消化には体力が必要です。何をするにも体力を使って、それを睡眠で回復することの繰り返しです。

犬の睡眠時間が長い理由は、睡眠のサイクルが理由です。

犬も人間と同様にレム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)を繰り返しています。
ただし、そのサイクルの割合が人間と犬ではかなり違っています。

人間の場合、ノンレム睡眠が睡眠時間全体の約75%でレム睡眠が25%と言われています。

しかし、犬は人間の反対でノンレム睡眠が約20%、レム睡眠が約80%とされています。

人間と犬の睡眠サイクルは完全に真逆です。

つまり、犬の睡眠の大半はレム睡眠で浅い眠りのため、長時間眠る必要があるということになります。

犬が少しの物音で起きてしまうのはこのためです。

体の大きさによる違い

睡眠時間は犬種・体の大きさによっても異なります。

大型犬は体が大きく、エネルギー消費量が多いため回復に要する時間が長くなるので睡眠時間が小型犬や中型犬よりも長い傾向にあります。

また、狩猟犬のような犬種は睡眠時間が短いという説もあります。

睡眠の質を向上させるための3つのポイント

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犬も人間と同様に睡眠の質が下がったり睡眠時間が足りなくなると、それがストレスになり健康を害する恐れがあります。犬が安心して十分な睡眠が確保できるように環境を整えてあげるのは、飼い主の義務です。

犬の睡眠の質の向上のために、次のような工夫をしたげましょう。

犬用ベッドを用意する

犬を家の外で飼うことが一般的だった時代、犬小屋が用意されていました。犬小屋で眠る犬の姿は昭和の時代に犬を飼っている家のイメージです。

実際、犬は暗くて狭い場所での方が安心して眠れるため、犬小屋は寝床に適しています。

室内飼いがメインとなってきた現在、フローリングやケージ内の床のままだと固く、長時間眠る犬は「床ずれ」のような狀態になってしまうことがあります。

また、大型犬は自体重が重く、体にかかる負担が大きくなります。

シニア犬は睡眠時間が長いうえに寝返りが打てない場合があるので、クッション性の高いベッドを用意してあげると良いでしょう。

そもそも犬はふかふかした場所が好きなので、専用のベッドでなくても使い古した毛布やバスタオルなどを利用してベッドの代わりにしてあげてるのもひとつの方法です。

その場合、夏は通気性の良い素材のもの、冬は保温性の高いものにしてあげます。

また、犬は体温調節が得意ではないので室温管理も重要です。

寝床に適した環境を用意する

犬の寝床を決めて「ここは眠る場所」と、自分の眠る場所を認識させましょう。

寝床の場所として適していない場所は次のような場所です。

  • 廊下やドアの近くなど、人の往来が多い場所
  • エアコンの風が直接あたる場所
  • 外の音や声が気になる玄関や窓の近く など

基本的には静かで落ち着いた場所に寝床を設置してあげると良いでしょう。

ケージやクレート内に寝床を作る場合は、トイレを寝床から離れた場所にすることも大切です。

犬は野生動物時代の名残りのひとつとして、寝床の近くでは排泄をしないというものがあります。

寝床の近くにトイレを設置してしまうと、トイレを失敗する原因にもなりますので、なるべく離れた位置に設置しましょう。

寝床は落ち着いた場所に設置するのは基本ですが、飼い主さんの気配が感じられないだと不安になり眠れなくなることがあるので、飼い主の気配が感じられる落ち着いた場所が理想の寝床です。

適度な運動をさせる

日中、散歩をさせたり一緒に遊んだり、適度に体を動かすことでストレス発散になり、快適な睡眠につながります

散歩の時間が足りないと運動不足になり、よく眠れなくなることもあるので、犬種に応じた必要な散歩の時間を確保してあげるようにしましょう。

睡眠時間が長い場合、短い場合に考えること

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睡眠不足には多くのデメリットがありますが、長すぎる場合はどうなのでしょうか?

平均睡眠時間よりも長く眠る場合、短く眠る場合に注意しなくてはならないことがあります。

平均より長い睡眠時間

基本的にはあまり問題はありません。

ただし、1日中ほとんど寝ている、明らかに長すぎるというときは病気の場合もあります

  • 甲状腺機能低下症
  • 糖尿病
  • 怪我

などが原因の場合もあるので、獣医師に相談した方がいいでしょう。

平均より短い睡眠時間

犬が寝ない場合、食欲があり元気であればあまり問題はありません

しかし、眠らない状態が何日も続いたり食欲がなくなっている場合は注意が必要です。

病気や怪我がないか、注意深く犬を観察しましょう。

眠らない(眠れない)のには、次のような理由が考えられます。

  • 怪我をして痛くて眠れない
  • 皮膚炎を起こしていて、痒くて眠れない
  • 異物を飲み込んでしまってお腹が痛くて眠れない など

いずれの場合も早めの受診をお勧めします。

眠らないだけでなく、食欲が落ちていたり元気がない場合は、心臓病や腎臓病など内臓に変化が起こっている
可能性もあります。睡眠が少ないと思った場合は、その他の部分にも注意してあげましょう。

まとめ

犬にとって睡眠時間は健康のバロメーターになっており、きちんと睡眠を取ることは、犬の健康にとって重要です。

犬の睡眠時間は年齢によって多少異なります。年齢ごとの適切な睡眠時間を把握し、長すぎる、短すぎることが続く場合は、動物病院で獣医師にお相談することをおすすめします。

犬は眠る時間が長いだけに、気持ち良く眠れるベッドを用意してあげたり、最適な室温に設定してあげたりなど快適に眠れる環境を用意してあげましょう。

快適な室温は若干犬種と季節によって異なりますが、20〜26℃の中で設定してあげてください。

睡眠時間の長短は最終的に犬の寿命にも関わってきます。ストレスなく、気持ち良く眠れる環境を整えてあげるようにしましょう。

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