犬を飼うのに維持費はかなりかかりますよね。そして、メスの犬を迎え入れ一通りの予防接種を終えたらすることが一般的となってきた避妊手術。
「避妊手術の費用はいくらかかるの?」
「避妊手術したいけどお金がない・・・」
「保険は適用できるの?」
といった不安を抱える人も多いはず。
今回は、避妊手術の費用について、調べてみました。犬、特にメスの子犬を飼っている方は、ぜひこの記事で調べ避妊手術を検討してください。
1.避妊手術をする必要性
まず、なぜメスの犬を飼っている人が避妊手術をするのか、考えてみましょう。そして、理由を見て「うちの犬は避妊手術の必要はないな・・・」と感じたら、無理にする必要はありません。
では、さっそく見ていきましょう。
・子犬の繁殖を防ぐため
_まずは子犬の繁殖を防ぐために避妊手術を考える方は多いです。
子犬が繁殖すると、犬の数が増え、餌やおもちゃを買い足すための金銭面や、世話をしていくための体力面に心配や限界が生じ、避妊手術を行います。
多くの犬を飼うことで四六時中鳴き声が近所に響き渡り異臭を放ち、近所迷惑となり周りに迷惑をかけるといった事例もニュースなどで報道されるようになりました。
犬はかわいいといった理由だけで飼うのは非常に大変です。自分のライフスタイルや経済状況を考え、自身も犬も快適に暮らせる程度に過ごしていくことが大切です。
・凶暴化の防止
_犬をおとなしくさせる目的で避妊手術をするご家庭もあります。
犬の本能が先行し、行動が荒くなり飼い主の言うことを聞かなくなったり、吠える、喧嘩を仕掛けるなど、オスメス問わず発情する時があります。
これは、発情で発生する性ホルモンに犬が支配されているからであります。犬が本能に争うことが困難な状況になっているため、こういった場合は、どれだけちゃんと叱っても言うことを聞いてくれるということは不可能に近いです。
もし犬が発情により暴れてしまう場合は、避妊手術を検討するといいでしょう。
・病気予防/病気による生殖器の摘出
_避妊手術では生殖器を摘出するのですが、生殖器に病気が生じることにより生殖器を摘出しなければならないこともあります。
生殖器を摘出すると、犬は子どもを産むことができなくなります。そして、卵巣や子宮を摘出することにより、病気予防に繋がります。
卵巣からは様々なホルモンが分泌されており、関連する病気予防の目的として避妊手術は効果的と言われています。
生殖器系の病気とは無縁になり、生殖器が失われた場所に腫瘍ができることは絶対にないので、避妊手術は犬の寿命を延ばすといったことにも効果的です。
中でも、中高年の犬(メス)に多く見られる、『乳腺腫瘍』と呼ばれる病気は避妊手術により発生率を0.05%に抑えることができると言われています!
※乳腺腫瘍=乳腺は、左右の乳頭に沿って存在する乳汁を分泌する分泌組織で、この乳腺組織が腫瘍化することで起こる病気のこと。
卵巣の病気=卵巣嚢腫(らんすのうしゅ)、顆粒膜細胞腫瘍
子宮の病気=子宮水症(子宮水腫)、子宮蓄膿症(開放性子宮蓄膿症、閉鎖性子宮蓄膿症)
・政府機関からの避妊の推奨
犬や猫などのペットの避妊手術は環境省も推奨しており、過剰繁殖に関する例などをあげ、ペットを飼おうといったガイドラインも発行しています。
【参考資料】
犬が過剰繁殖すると、居住環境が荒れ、政府機関だけでなく全国の自治体なども解決のために動いています。また、自治体によっては、手術をした動物愛護センターから助成金がもらえることもあります。
以上のことから、犬を飼ったら避妊手術をおすすめする動きが社会に浸透していってます。
2.避妊手術の費用は大体どのくらい?
犬の避妊手術費用は病院や入院日数、犬の大きさにより異なりますが、おおよそ30,000〜80,000円前後が一般的です。そして、年齢の重ねた犬のほうが子犬より費用がかかります。
また、オスの去勢手術よりメスの避妊手術は開腹をするため費用がかかる傾向があります。
予め確認しておくといいでしょう。
3.ペット保険は適用されるの?
結論からいうと、適用外です。ペット保険は怪我や病気の治療費を補償するものであるため、避妊手術は健康な身体に対して行う手術だからです。
しかし、別の怪我や病気にかかり、その際の治療のために避妊手術が必要になった場合は補償されることがあります。
4.助成金は支給されるの?
では、保険が適用されないなら助成金は出ないのでしょうか?実際に各都道府県の自治体の状況を調べました。
関東地方は助成金支給に対する動きが広まっており、適用されている地域がぼちぼちと見受けられましたが、その他地方自治体ではまだ支給されている地域が少なかったです。
しかし、前述のように環境省も避妊手術を推奨していることから、今後各地域で避妊手術の助成金支給が浸透していく可能性はあるでしょう。
詳しくは、お住まいの管轄の市役所や動物愛護センター、動物病院などに直接確認してみるといいでしょう。
5.まとめ
今回は、避妊手術をする理由や手術の際の費用についてまとめました。
ここ最近は避妊手術をすることが普通となっていますが、手術をしたくても費用面ですぐに避妊手術を受けられないといったご家庭も多いはず。
しかし先述のとおり、犬が妊娠や病気にかかるリスクや、大きくなってからのほうが手術費用が高くなるなど、ご自身の手間がかかるので「いつかは手術を」と考えているならば、犬が小さいうちに済ませましょう。