「最近、愛犬のトイレの失敗が目立つようになってきた……」
「トイレトレーニングがうまくできていなかったんだろうか」
今まで問題なくトイレができていた愛犬が、急に失敗が目立つようになると、とても心配になりますよね。
「トイレトレーニングが下手だったのかな」と、自分を責めてしまう飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。
実は、犬が急にトイレを失敗するようになるのは、さまざまな原因が考えられます。そのため、飼い主さんは自分自身を責める必要はありません。
今回は、「愛犬がトイレの失敗を繰り返すようになって不安」という飼い主さんに向けて、3つの原因と対策方法をご紹介します。
トイレを失敗する3つの原因
愛犬がトイレを失敗する原因として、以下の3つが考えられます。
- 精神的な原因
- 環境面の問題
- 体に不調がある場合
精神的な不安があったり、トイレの環境面の問題があると、犬はトイレを失敗しやすくなります。
そして、もし体に不調があれば、トイレを失敗してしまうのは仕方がないことだといえるでしょう。
それぞれの原因の詳細を把握し、しっかりと対策をしてあげましょう。
① 精神的な原因
愛犬がトイレを失敗する原因の一つとして、精神的な原因が考えられます。
たとえば、以下のようなことに覚えはないでしょうか。
- 飼い主さんと離れ離れになる時間が増えた
- 叱りながらしつけを行った
- 普段から、愛犬とあまりコミュニケーションがとれていない
- 飼い主さんがいないときに恐怖を感じたり、不安なことがあった
飼い主さんと離れて過ごすと、犬は「分離不安」に陥りやすくなります。
精神的に不安定になるため、トイレも失敗してしまうのです。
特に飼い主さんと離れ離れになる時間が増えた場合は、急に飼い主さんと一緒にいる時間が減ることで、愛犬が大きな不安を感じている可能性があります。
愛犬とコミュニケーションをとる時間が減っているときは、できるだけ一緒にいる時間を増やしたりスキンシップをとるなどして、愛犬との時間を増やしてみてください。
そして、しつけをするときは叱らずに淡々と、冷静に行動するようにしましょう。
② 環境面の問題
環境面の問題は、主に以下の原因が考えられます。
- 引っ越しをしてトイレの場所が変わった
- トイレの場所が気に入らない
- トイレトレーがカタカタとして不安定
- トイレが汚れている
- トイレの場所までスムーズに行けない
トイレの場所が変わったり、物理的にスムーズに行けないようになっていると、愛犬もトイレに行きづらく別の場所で粗相をしてしまいます。
部屋の中は常に綺麗に片付けるようにして、トイレまでの導線を確保してあげてください。
そして引っ越しなどでトイレの場所が変わった場合は、新たにトイレの場所を覚えてもらうために、再びトイレトレーニングを行いましょう。
トイレの設置が不安定だったり、トイレが汚れている場合も、犬は不安を感じてトイレには近づきません。
トイレの環境はとても大切なので、愛犬が安心してトイレができるように環境を整えてあげましょう。
③ 体に不調がある場合
愛犬の体に不調があり、トイレを我慢できず粗相してしまっていることも考えらます。
特に以下の病気や、症状には注意が必要です。
- 膀胱炎
- 結石
- ホルモン異常
- 認知症
- 足腰に痛みがある
トイレの回数が急に増えたり、排泄するときに痛そうにしているときは、病気の可能性があります。
高齢の犬が、急にトイレを失敗するようになった場合は、認知症が考えられるでしょう。
いずれの場合も、獣医師による診察と治療が必要です。
「様子がおかしいな」と感じたら、すぐに動物病院へ連れて行くようにしましょう。
トイレを失敗をしたときのおすすめ対策
ここからは、愛犬がトイレを失敗したときのおすすめの対策をご紹介します。
主に以下の5つを試してみるとよいでしょう。
- 愛犬への接し方を見直す
- トイレの環境を見直す
- タイミングをみてトイレに連れていく
- 病院で診てもらう
- 失敗が続いたときには臭いを除去
それぞれの対策方法について、詳しく解説します。
愛犬への接し方を見直す
愛犬の精神的な問題でトイレを失敗している場合は、愛犬への接し方を見直してあげてください。
愛犬に日々の不安が蓄積されているときは、飼い主さんが積極的に愛犬とのコミュニケーションの時間をとるだけでも、不安が解消される傾向があります。
特に、引っ越しなどで環境が変わったばかりの頃は、愛犬も慣れない環境で不安を感じていることが多いです。
新しい環境に慣れるまでは、一緒に過ごす時間を増やしてあげてください。
愛犬の不安やストレスを解消することで、トイレの失敗も少しずつ改善されていくでしょう。
トイレの環境を見直す
トイレの環境に問題がある場合は、環境を改善してあげましょう。
たとえば、愛犬にとってトイレが小さい場合は、トイレを失敗する確率が高くなります。
犬は、トイレをするときにソワソワと動き回るので、トイレが小さいと体がはみ出してしまう可能性があるからです。
そのため、トイレの大きさは、体の大きさの約1.5倍を目安に用意してあげましょう。
そして失敗場所がいつも同じであれば、愛犬がスムーズにトイレに行けるように、トイレまでのアクセスの改善を図りましょう。
トイレの場所が変わったのなら、トイレシートに愛犬のおしっこを少しだけ付けて、ここがトイレだと認識させる方法がおすすめです。
そして、犬はとても綺麗好きなので、トイレは常に清潔な状態を保ちましょう。
汚れたトイレシートはこまめに変えて、快適な環境を整えてあげてください。
タイミングを見てトイレに連れて行く
愛犬が何かに夢中になっていて、うっかりトイレを失敗してしまうこともあります。
そんなときは、タイミングを見て愛犬に声をかけるなどして、飼い主さんがトイレまで連れて行ってあげましょう。
犬は、主に以下のタイミングでトイレに行くことが多いです。
- 寝起き
- 食後
- 遊んだ後や、お出かけから帰ってきた後
トイレを成功させるためには、愛犬が何かに熱中している状態から、冷静にさせることが大切です。
飼い主さんが一声かけることで愛犬は冷静になれるので、「そろそろトイレのタイミングだな」と思ったら、声をかけてあげてください。
トイレに連れて行ったあとは、愛犬にとって排泄をすることがプレッシャーにならないように、遠くから様子を見るようにしましょう。
病院で診てもらう
愛犬の体の不調が失敗の原因だと思われる場合は、動物病院の受診をおすすめします。
トイレの失敗の原因になる病気として、椎間板ヘルニアや脊椎腫瘍があげられます。
もしかすると、愛犬は病気によってトイレが我慢できなかったり、トイレまで行く気力がないのかもしれません。
動物病院へ連れて行く前に、愛犬の排泄物に血が混じっていないか、排泄物にいつもと変わった様子がないかを確認してあげるとよいでしょう。
もし排泄物に異変があれば、動物病院に持参するか写真を撮っておくと、診察の際にとても役立ちます。
失敗が続いたときには臭いを除去
トイレの失敗が続いたときは、排泄物の臭いを完全に消臭するようにしましょう。
犬は、自分の排泄物の臭いがついている場所を自分のトイレだと認識します。
そのため、臭いが残っていると同じ場所で失敗しやすくなるのです。
トイレの失敗を繰り返さないためにも、消臭スプレーなどを使って、臭いを除去する工夫を行いましょう。
消臭スプレーは、無香料タイプのものがおすすめです。
スプレーの香りが強すぎると、愛犬にとってストレスになる可能性があるので注意しましょう。
まとめ
愛犬がトイレを失敗する原因や、対処方法についてご紹介しました。
犬は、環境の些細な変化でもトイレを失敗してしまうことがあり、とても繊細です。
そのため、もし引っ越しなどで環境が変わることがあれば、新しい環境に慣れるまでは愛犬とコミュニケーションをしっかりとるようにしましょう。
そして、普段から愛犬を寂しくさせないために、できるだけ一緒にいる時間を多く作りましょう。
たとえ愛犬がトイレを失敗しても決して叱らず、根気が必要ですが失敗の原因を探して、愛犬に合った対策をとってあげましょう。