いつも食欲旺盛の愛犬が、突然食事を残すようになってしまったら、とても心配ですよね。
「病気になってしまったのかな」
「餌を食べなくなったときはどうしたらいいんだろう」
「動物病院へ連れて行ってあげた方がいいのかな」
愛犬の様子がいつもと違うと、飼い主さんもとても不安になってしまうでしょう。
犬は、基本的には餌を食べることが大好きです。そのため、犬が餌を食べなくなったときは、何か原因がある場合がほとんどです。犬は言葉を話せないので、こうした些細な変化が、愛犬からの何かのサインかもしれません。
今回は、愛犬が餌を食べなくなって不安な飼い主さんに向けて、犬が餌を食べないのはどんなときなのかをご紹介します。
犬が餌を食べなくなってしまう大きな原因5つ
犬が餌を食べなくなってしまう原因として、以下の5つが考えられます。
- 体調がよくない
- ストレスがある
- 老化
- 運動不足
- わがまま
もし愛犬が餌を食べなくなったときは、これらの原因に思い当たりがないか確認するようにしましょう。
体調がよくない
人間と同様に、犬も体調がよくなければ食欲がなくなり、餌を食べたがりません。
もし2日〜3日ほど経っても餌をあまり食べない場合は、体調不良が考えられます。
特に、以下の症状があれば病気である可能性も考えられるので、愛犬の様子を確認してあげてください。
- 嘔吐、餌を食べてもすぐに吐く
- 下痢
- 餌だけではなく水も飲まない
- 1日中元気がない
- ぐったりしている
- 大好きなおやつも食べない
餌を食べなくなったのは、体調不良や病気のサインであることも考えられます。
食事以外の様子も観察して、もし異変があればすぐに動物病院へ連れて行くようにしましょう。
ストレスがある
ストレスがある場合も、犬は食欲が落ちることがあります。
直近で、愛犬の周りの環境の変化などはなかったかどうか確認してみてください。
たとえば、以下の環境の変化があるときは、犬はストレスによって食欲不振に陥ることが多いです。
- 新しく犬を迎えて同居犬が増えた
- 赤ん坊が産まれるなどして、家族が増えた
- 引っ越した
- 飼い主さんと長期間会えない状況が続いている
- 留守番が多くなった
- 旅行などで普段とは違う環境にいる
もしこのような環境の変化があれば、犬の食欲不振はストレスがたまっているサインかもしれません。
老 化
人間と同様に、犬も老化によって代謝が落ちて運動量も減るので、ほとんどエネルギー消費が行われず食欲が落ちることがあります。
ほかには味覚や嗅覚が衰えて、食べ物への関心がなくなってしまった、ということも考えられます。
もし今まで歯磨きの習慣がなければ、歯周病や虫歯などの歯のトラブルで、食べたくても食べられないという可能性も考えられるでしょう。
人間も犬も、高齢になると歯が弱ったり食欲が落ちてしまうので、愛犬が餌を食べやすいように工夫してあげることをおすすめします。
運動不足
運動不足が続いている場合も、犬は食欲が落ちて餌を食べないことがあります。
散歩やドッグランなどで運動をした後は、食欲が旺盛だという子が多いでしょう。反対に、まったく運動をしていなければお腹も減らず、食欲が落ちることがあります。
たとえば、梅雨の時期は雨が続いてなかなか散歩に行けず、愛犬も運動不足の状態が続きやすいです。
運動不足が続いているときは、家の中でおもちゃで遊んであげるなど、愛犬の運動量が増えるように工夫してあげてください。
わがまま
実は、犬のわがままが原因で餌を食べないこともあるのです。
たとえば「おやつは食べるのに餌は食べない」という場合は、わがままが原因かもしれません。
しかし、犬の食事に関するわがままは、基本的には飼い主さんの行動によって犬をわがままにしてしまっていることが多いです。
以下のような心当たりがあれば、「今出されている餌を食べなくても、後で食事をもらえる」と思っている可能性があります。
- おやつのあげすぎ
- 人間の食事を取り分けて与えている
- 頻繁にドッグフードを変える
おやつや人間の食べ物など、主食であるドッグフード以外の食べ物を与え続けていると、食事を選り好みすることがあります。
餌を食べない犬への対応方法
もし愛犬が餌を食べなくなってしまったら、どのように対処したらよいのでしょうか。
餌を食べない犬への対応方法は、主に以下の4点があげられます。
- 犬の体調、生活習慣を見直す
- ストレスの原因を取り除く
- わがままには毅然とした態度をとる
- 食事の方法を見直す
原因によって対応方法は異なりますが、まずは愛犬の様子を見ながら原因を取り除くことに努めてあげるとよいでしょう。
犬の体調・生活習慣を見直す
犬の体調不良が原因だと思われる場合は、慌てずに2〜3日ほどは食事以外の様子もしっかり見てあげましょう。
ただし、嘔吐や下痢など、愛犬に明らかな異変がある場合は獣医師の診察が必要です。
便の様子がいつもと違うようであれば、診察の際に参考になるかもしれないので、便の写真を撮っておくことをおすすめします。
もし餌を食べないこと以外に異変がなければ、少し体調を崩しているだけかもしれません。
その場合は数日で体調が改善することが多いので、しばらく様子を見てあげてください
また、愛犬が運動不足の場合は、散歩や運動もしっかり行ってあげましょう。運動不足はストレスにもつながるので、散歩ができないときは室内でも運動ができるように工夫してあげてください。
ストレスの原因を取り除く
ストレスが原因で餌を食べなくなってしまった場合は、ストレスの原因を取り除いてあげるようにしましょう。
愛犬がストレスを感じている場合は、主に以下の対処法でストレスが軽減できる可能性があります。
- 愛犬と一緒にいる時間を増やす
- 留守番の時間をできるだけ短くする
- 愛犬が静かに落ち着いて過ごせる環境を作ってあげる
- 犬が喜ぶことをしてあげる
ストレスがなくなることで、愛犬は少しずつ餌を食べてくれるようになります。
愛犬のストレスの原因が具体的にわからない場合は、愛犬目線で周りの環境を観察してあげるとよいでしょう。
飼い主さんとのコミュニケーションによってストレスが軽減されることもあるので、愛犬とは十分なコミュニケーションをとるようにしてみてください。
わがままで食べないとき
犬のわがままで餌を食べないときは、毅然とした態度で、もう一度食事のしつけをやり直すことをおすすめします。
食事のしつけをする際は、以下のポイントに気を付けましょう。
- 「構ってほしい」「食事を出してほしい」などの要求で吠えても、無視をする
- 犬が食事を欲しいときに、いつでも与えることはやめる(食事時間を決めるのは飼い主さん)
- 食事中は静かに見守り、一定の時間が過ぎたら食器を下げる
犬は「いつでもご飯が食べられる」と思うと、食事に集中しなくなります。
わがままはすぐに解決することは難しいかもしれませんが、根気よく対応しましょう。
食事の方法を見直そう
犬が餌を食べなくなったときは、食事の方法を見直すことも一つの手段です。
食事の内容が変わることが刺激になり、犬が再び餌を食べてくれるようになることもあります。
食事の方法を見直すときは、以下の3つを試してみてください。
- ドッグフードを変える
- ドッグフードにひと手間かけてみる
- 年齢に応じた食事スタイルに変える
ドッグフードを変えよう
ドッグフードを変えてみると、新たな味の刺激によって再びドッグフードを食べてくれる可能性が高まります。
犬は、食感やにおいの違いにとても敏感です。
そのため、いつもとは食感や味が違うドックフードを試してみるとよいでしょう。
ドッグフードを変えるだけで、びっくりするほど餌を食べるようになることもあります。
定期的に食事の変化をもたらすために、複数のドッグフードをローテーションして与えるとよいでしょう。
ただし、ドッグフードを頻繁に変えると、犬が「今ある食事を食べなくても違うものをもらえる」と思うことがあるので注意が必要です。
ドッグフードにひと手間かけみよう
ドッグフードは、犬の栄養を考えて作られた総合栄養食です。
同じように飼い主さんが栄養バランスを考えて、食材を集めて一から料理するとなると、非常に手間がかかります。
手作りで餌を用意することが難しい場合は、「ドッグフードをお湯でふやかす」などのひと手間を加えて、食事の雰囲気を変えてみましょう。
ほかの方法としては、以下の2つがあげられます。
- ドッグフードに野菜や肉をトッピングして食感を変える
- 香り豊かな食材を加える
「愛犬に手作りご飯を作ってあげたい!」という場合は、味付けや、食材の大きさに注意しましょう。
味付けは薄めで、食材は食べやすい大きさに切ってあげると、愛犬も手作りご飯への食いつきがよくなるはずです。
年齢に応じた食事スタイルを
犬が餌を食べなくなったら、年齢に応じた食事スタイルに変更することをおすすめします。
犬は老犬になると筋力が落ちてくるため、首を下げて食事をすることがつらくなり、餌が食べられないことがあります。
「口元に持っていくと食べる」「食べこぼしが多い」という場合は、食器や食器の高さを変えて、食べやすくしてあげるとよいでしょう。愛犬の体の大きさにあった台に餌を乗せると、とても食事がしやすくなるはずです。
そして、硬いドッグフードを与えていた場合は、柔らかくふやかしてあげるとよいでしょう。犬は老犬になると、噛む力や飲み込む力が衰えてしまいます。そして歯も弱ってくるので、若い頃のようにカリカリの硬い餌は食べられなくなることがあるのです。
老犬が体の負担がなく食事ができるように、年齢に合わせて食事スタイルを変えてあげましょう。
まとめ
愛犬が餌を食べなくなってしまう原因や、餌を食べなくなったときの対応方法についてご紹介しました。
犬によっても餌を食べなくなる原因は異なりますが、愛犬の性格や普段の様子との違いを観察して、原因を探ってあげるとよいでしょう。原因を探るときに大切なのは、愛犬の目線に立つことです。
愛犬の目線に立つことで、初めて見えてくるものがあるかもしれません。
愛犬が餌を食べない原因がはっきりした場合は、その原因を取り除いてあげるようにしましょう。
もし明らかな体調不良が原因の場合は、早急に獣医師の診察が必要です。
愛犬が、毎日の食事の時間が楽しみになるような環境を整えてあげましょう。